建築再生総合設計協同組合 U R D
建築再生総合設計協同組合
Union of Renewal Design
2013年10月2日設立

建設通信新聞掲載記事

2013年10月10日付「建設通信新聞」掲載記事

設 立 趣 意 書
フローからストックへ。既存建築物を壊しては建て替えを繰り返すのではなく、ストックを改良・改善し性能を高めることにより、ストックを長く続けていくことが時代の要請である。こうした社会からの要請を受け止め、建築家、構造設計技術者、設備設計技術者が協同して、既存ストックを調査・診断し、建築物の弱点を克服し、より良質なストックを形成することが、きわめて重要な日本の建築界の使命である。
我々は特定非営利活動法人耐震総合安全機構(以下JASOと略す)の耐震アドバイザーとしてこれまで東京都との協定及び都下各区からの委託等に基づき、建築物の耐震相談業を行うとともに、耐震診断を実施してきた。建築設計、構造、設備の各専門家がチームを組んで一体となり、総合的な診断を行うJASOの方式はこれまで依頼者の大きな信頼を得ており、その結果診断に基づく耐震改修工事の設計についても、継続して同一のチームによる、同様な方式の総合的判断による業務の実施が強く求められることとなってきている。こうした期待にこたえるため、これまで我々は耐震改修設計について継続的に事例の研究・解析を行い、情報を交換するとともに技術の研修・向上に努め、確実かつ良質な設計業務の実施を確保するよう努力してきた。
しかしながら、特定非営利活動法人としての性格から、建築設計業務を通常の業務として取り扱うことには異論がある。そこで、JASOとして実施してきた総合的耐震診断を受けて、依頼者の信頼にこたえて継続的に耐震改修工事の設計業務を実施することが可能な、信頼性のある確実な設計主体を確立する必要がある。また、建築物の耐震改修設計の実務を通じて技術的な知見を蓄積し、相互に研究・研鑽につとめ、我々の能力の一層の向上を図ることにより、今後大幅に増大すると予想される既存建築物の改修・再生に係る設計業務の需要に対しても、適切に対応出来る技術者集団を構成することが出来ると考える。
そこで、JASOの耐震アドバイザーのうち耐震改修工事の設計に十分な知識と経験を有しかつ、意欲のあるものが集い、ここに事業協同組合を結成することにより、上記の社会的な要請に応えるとともに、建築界の業務の質の向上と拡大を図るものとする。