大学講師 college
東洋大学理工学部建築学科
設計課題 団地再生のための現地調査
1. 科目名称
建物管理保全計画/
Maintenance And Modernization Of Building
宮城秋治非常勤講師(選択・2単位・第6セメスタ)
2. 講義の目的・内容、到達目標
【講義の目的・内容】
建物が竣工してからの保守保全・維持管理・修繕・改修・改良・再生などの意義と重要性を学ぶ。日本では人口が減少し新築市場が縮小する一方でリニューアル市場がシェアを延ばすという成熟した建設市場となってきている。フロー(新築)からストック(既存)の時代に入り、リニューアル分野における建築家が果たすべき役割は大きい。講義で取り上げる対象の建物は設備の種類が比較的少なくハード面は容易だが、居住者(区分所有者)の合意形成などソフト面がむずかしい集合住宅を取り上げて実践的なリニューアルの手法を講義する。また、設計課題として実在する既存の集合住宅団地を調査診断し再生計画を設計しプレゼンテーションもおこなう。
【到達目標】
経年による劣化現象から新築時の設計にフィードバックすべき事項も認識できるようにする。講義を通してリニューアルのための調査診断・設計・監理を認知できるようになることを目標とする。 時間がたつことで建物が物理的に劣化するだけでなく、社会のシステムや法律も変わってくる。建物を使っている人々の考え方も変わってくる。このように内側も外側も変化の波にさらされる建物を凝視して所有者や使用者のニーズに応えていくことも建築家の役割になる。そこには新築だけの知識と技術では不十分で時間を読み解く広い見識とクライアントとの柔和なコミュニケーションスキルが求められる。
3. 講義スケジュール
- 第1回
- ガイダンス
- 第2回
- 管理保全がなぜ必要か
- 第3回
- 建物の耐用年数と長期修繕計画
- 第4回
- 多様な調査診断技術と改修設計・工事のながれ
- 第5回
- 建築・躯体の診断と維持保全
- 第6回
- 給排水・衛生設備の診断と維持保全
- 第7回
- 電気設備の診断と維持保全
- 第8回
- 外構の維持保全
- 第9回
- 集合住宅の総合的なリニューアル・再生計画
- 第10回
- ケーススタディ:既存建物の現地調査
- 第11回
- ケーススタディ:調査診断報告
- 第12回
- ケーススタディ:既存建物再生計画(設計課題)
- 第13回
- ケーススタディ:再生計画プレゼンテーション
- 第14回
- 海外の集合住宅再生
- 第15回
- 超高層集合住宅の再生
4. 指導方法
集合住宅の改修事例を中心に管理保全の実務的内容をテキストやパワーポイントで講義する。 設計課題として実在する集合住宅団地を調査診断し、居住者からのヒアリング、問題点の整理・抽出、団地再生計画の設計、プレゼンテーションまでの一連のプロセスを指導する。
5. 成績評価
1. 授業における取り組み(40%)
2. 指定するセミナー・講習会等への出席(10%)
3. 課外授業(団地の調査診断)等への出席(20%)
4. 設計課題の成績およびプレゼンテーション(30%)(1.+2.+3.+4.=100%)
なお、授業回数の3分の1を超える欠席は成績評価の対象としない。
6. その他(教科書・教材等)
教科書
『これで完璧!マンション大規模修繕』
マンション大規模修繕研究会著 エクスナレッジ 2015年 2,400円+税
参考書
『マンションを100年持たせる100の方法』
マンション再生研究会 エクスナレッジ 2014年 3,000円+税
関東学院大学建築・環境学部建築・環境学科
1. 科目名称
環境設備維持保全/
Maintenance and Management of Environmental Equipment
宮城秋治非常勤講師(選択・2単位)
2. 講義の目的・内容、到達目標
【講義の目的・内容】
建物が竣工してからの設備の保守保全・維持管理・修繕・改修・改良・再生などの意義と重要性を学ぶ。日本では人口が減少し新築市場が縮小する一方でリニューアル市場がシェアを延ばすという成熟した建設市場となってきている。フロー(新築)からストック(既存)の時代に入り、維持保全分野における設備設計者が果たすべき役割は大きい。到達目標としては、維持保全の体系を学び、経年による設備の劣化現象から対処すべき事項を認識できるようにすること。講義を通してリニューアルのための調査診断・設計・工事監理を認知できるようになることも目標とする。
【到達目標】
学部の最終年次に履修する発展的な専門科目であり、建築設備の劣化診断手法と各種保全技術について修得する。建築設備は、その耐用年数が建築に比べ短いため建築が寿命を迎える前に、機能の低下や劣化を来たすので維持管理や更新を必要とする。建築・設備の耐用年数の違いと設備のライフサイクルコストの試算方法、建築設備の更新レベルを決定するのための性能劣化診断手法、日常の点検によって劣化を抑制する維持管理手法と保全技術の留意点について、適用事例も紹介しながら解説する。
3. 講義スケジュール
- 第1回
- ガイダンス/シラバスに基づき講義内容を説明する
- 第2回
- 維持保全がなぜ必要か/リニューアル市場熟成の背景
- 第3回
- 建築・設備の耐用年数の違い
- 第4回
- 長期修繕計画とライフサイクルコスト
- 第5回
- 維持保全のフロー/多様な調査診断技術と改修設計・工事監理の流れ
- 第6回
- 建築設備の維持管理における建築物衛生法と関連法規
- 第7回
- 空調機器設備の維持保全と運転管理
- 第8回
- 給排水衛生設備の維持保全と運転管理
- 第9回
- 設備関連電気・自動制御機器の維持保全
- 第10回
- 給水設備の劣化診断から改修設計の実例
- 第11回
- 排水設備の劣化診断から改修設計の実例
- 第12回
- 集合住宅における浴室とスラブ下配管
- 第13回
- 建築設備のリスクマネジメントと耐震安全性
- 第14回
- 設備改修設計課題
- 第15回
- まとめ
4. その他(教科書・教材等)